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2017.03.06

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人と犬がチームになってプレーするスポーツ

ディスクドッグを通して学んだ、人と犬の絆とは?

編集部犬モーフの、ディスクドッグチャレンジのきっかけとなった人物。今回は、若干21歳ながらディスクドッグの国内トップクラスプレーヤー・高倉芽生さんに、ディスクドッグの魅力や、競技を通じて身につけた犬とのコミュニケーションスキルについて教えていただきました。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=日高奈々子 文=古川あや

ボーダーコリーの花音と羽陽がパートナー

 ディスクドッグは人が投げたディスクをパートナーの犬がキャッチするスポーツ。ディスクの飛んだ距離、キャッチの仕方などでポイントが決まり、その合計点で順位を競う。競技時間は1分間。この短い時間内に、人と犬がコミュニケーションをとりながらスコアを積み上げていく。

 取材したのは神奈川県で行われたナショナルディスクドッグのG1大会会場。今回高倉さんはレディースクラスに3歳の羽陽(はる)、スーパークラスに長年のパートナーである9歳の花音(かのん)とエントリーした。
「花音は9歳と高齢で、少し白内障もあるので10点4投、まだまだ関係づくりの最中の羽陽は6点5投を目指しています。実は今、私自身がディスクの投げ方に迷いが出ている状態なのですが、ずっと一緒にプレーしてきた花音は私がディスクをどこに投げても必ずキャッチしてくれます。すごく信頼しているパートナーです。羽陽はすごく焦っちゃうコなので、私がコマンドでコントロールしなければならないのですが......まだまだ模索中です」

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失敗しても笑顔で迎えてポジティブに

 前日までの雪の影響でフィールドはぬかるんでおり、投げ手にとっても追いかける犬にとっても悪いコンディション。羽陽は1投目を口で弾いてしまって失敗するとその後もリズムがつかめず、6点を2回という結果に終わった。ラストの4投目でもキャッチに失敗、だがディスクを拾って戻ってくる羽陽を高倉さんは笑顔で迎えた。
「失敗すると犬もショックを受けるので、後に引きずらないよう気をつけています。私だって失敗することがあって、それを犬たちがカバーしてくれます。とにかく試合中は失敗しても、それを取り戻す方法にすぐに切り替えて、あくまでポジティブに考えます」

 2012−2013にレディースの年間チャンプ、日本オープンの2冠を達成し、現在スーパークラスに参戦している高倉さんは、21歳の若さにして、ディスク歴はなんと10年。
「小学6年生のときにドッグランで初めてディスクというスポーツを知りました。最初はうまくディスクを飛ばせなかったけど、当時飼っていたボーダーコリーの百花(モカ)がすごく楽しんでくれたから、面白い!やりたい!って思いました」

 今シーズンの総合ランキングは現在のところ7位(3月6日現在)。毎週末、全国各地で開催されるディスクドッグの大会に両親と兄、花音、羽陽、音羽(とわ)と参戦している。

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(左)競技スタート前の数秒間、犬と対話しているかのような高倉さんが印象的だった。 (右)足が地面の着いたままのキャッチよりも、ジャンピングキャッチはポイントが高い

頭を使って動きたいという欲求を満たす

 牧羊犬として改良されてきたボーダーコリーは賢く、運動能力も高く、スタミナ抜群。相当な運動量を必要とするため、どう発散させるかは飼い主にとって大問題だ。現在、学生で学校とアルバイトで忙しい高倉さんは犬の散歩には週1回いけるかどうかという状態。日頃の散歩は両親任せになっており、G1大会に出場することが犬たちとの一番のコミュニケーションの場になっている。
「ディスクは頭を使ってなおかつ思いっきり走れるので、ボーダーコリーの欲求にぴったりなスポ−ツです。とにかく犬ありきの競技で、犬と人間がうまくコミュニケーションを取れないと成立しません。だからこそ、狙い通りに競技ができたらすごくうれしいですし、花音とここまでの信頼関係を結べているのはディスクをやっているからだと思います」

 愛犬との信頼関係作りに悩む飼い主には、高倉さんが犬と付き合うときに心がけている点が気になるところだ。すでに述べているのが、「犬が失敗しても怒らない、がっかりしない」ということ。続いて挙げてくれたのが、「とにかくあきらめない/大げさなくらい褒める」。「花音はディスクの天才」という高倉さん。ディスクドッグの大会にはボーダーコリーの参加が多いため、ボーダーなら軽々ディスクができると思いがちだが、そうではない子もいる。高倉家の音羽がそうだ。
「ディスクは無理かなって思ったこともあるほど、覚えるのに時間がかかりました。でもあきらめずにトレーニングを続け、今は大会にも出場できるまでになりました。最初はディスクをくわえるところからスタートするのですが、とにかく転がしてキャッチした瞬間に、犬が戸惑うくらい声のトーンを上げて大喜びするんです(笑)。おやつを使わなくても褒めることがご褒美になるんです。どれだけうまくなっても褒めることは大切だと思います

 そして「思い切り発散させることが必要」ということだ。ディスクドッグの競技会場にはアップテンポの音楽が流れ、DJの解説が流れる。高揚した雰囲気に包まれる中、勝負に臨むことになる。
「競技前に何もしないとテンションが上がりすぎて抑えきれないことがあるんです。だから、競技前に走らせたり、ディスクをしたりして必ず"ガス抜き"をしています。ディスクの大会に限らず、普段の生活でも、興奮しやすい子などはやはり走らせたり、遊んであげたりして、発散させることが必要だと思います。
 犬それぞれの性格によって落ち着かせる方法はいろいろで、羽陽は抱っこが大好きだから、落ち着きがなかったら抱っこしています」

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ディスクを通して私自身が成長できた

 花音と目指している10点4投の「クワドラプル」は年1回できるかどうか、という成功率。
「できると泣くほどうれしいです。花音もやってやった!って顔をします。花音と最高のパートナーになれたのは、ディスクがあったから。そして、ディスクに出会えたことで、多くの大人の方とも知り合うことになり、私自身も成長できました。犬を飼う環境を準備し、全国の大会に車を運転して連れていってくれる両親にもすごく感謝しています」
 この日の成績は振るわなかったが、笑顔で犬たちに接し続けた高倉さん。今後の活躍に注目したい。

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