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2017.03.13

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シェルターボランティアで学んだこと vol.8

犬にだって好き嫌いはある!相性チェックの方法とは

プレイ・グループはシェルターの犬たちが里親募集中になってから、引き取られていく間に参加するものです。週1、2回のボランティアだと前回いた犬がもういない、ということもよくありました。

#Lifestyle

Author :写真・文=古川あや

いろんな情報を得られる手書きのボード

 プレイ・グループは朝9時にスタートします。その10分前にシェルターに着いたとき、正面玄関はまだ開いていません。スタッフ用の出入り口から入り、ボランティアルームのパソコンでサインインし、冷蔵庫から犬たちのおやつを取り出し、共通のケージのカギを持ってケンネルへ。
 犬たちの顔をすぐにでも見に行きたいところですが、はやる心を抑えてまずは今いる犬たちの名前が書かれたホワイトボードをチェックします。このボードにはそれぞれの犬たちが1日に行う活動がすべて書き込まれます。プレイ・グループに参加した長さ、午前・午後の散歩回数とそれぞれの長さが、担当したドッグウォーカーのイニシャルとともに記入されています。
 前回のボランティアで元気に走り回っていたコの名前がもうないということは珍しくありません。寂しい気もしますが、家族ができることが一番です。シェルターは犬たちにとって長くいる場所では決してないのです。

新メンバー加入時のセレモニーである"お見合い"

 新メンバーが加わるたびに、行うのが"お見合い"です。新しく加わる犬はすでにシェルターのスタッフによる"evaluation"を受けていますから、大体の性格はわかっています。そこで今いるプレイ・グループのメンバー犬の性格や遊び方を考えて、「このコとならいい遊び仲間になりそう」と見当をつけて、相性を見るのです。

"お見合い"はこんな風に段階を踏みます。

(1)柵越しのご対面⇒(2)ゲートをあける⇒(3)リード付きのまま挨拶する⇒(4)片方を自由に⇒(5)完全フリーに

 はじめて会わせる犬とどう挨拶させていくかという参考にもなると思うので、少し詳しくご紹介します。

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子犬は生後4~5カ月からプレイ・グループに参加できる。あっという間に引き取られていくので1回だけということがほとんど

(1)柵越しにコンニチハ
 まずは柵越しに会わせて、互いにどんな態度を見せるかを確認します。そっぽを向いて相手を見ない場合もあれば、柵越しに尻尾を振りあいながらプレイバウする、という場合もあります。
 この組み合わせならきっとうまくいく、と自信を持って行う場合もありますが、相性が良さそうなコがいない時には、「うまくいくかもしれないから、慎重に見てみよう」ということも。その場合には、しっぽの位置、顔の表情などさまざまなボディランゲージを観察し、どちらかの犬にストレスがかかっている場合や、互いに吠えあって、興奮してしまう場合には、すぐにストップします。

(2)ゲートをあけてコンニチハ
 よほど相性が悪そうでない限り、お互いの犬が少し落ち着いたところで、ボランティアがそれぞれのリードを持って、ゲートを開きます。一番緊張するのがこの段階です。
 リードは絶対にピンと張ってはいけない、というのが決まりでした。犬の緊張や興奮に繋がるからです。実際に犬を飼っている方は気づいておられると思いますが、犬って、相手の犬との「快適な」距離を保つために、ぴょんぴょん反復横とびのように飛び回ることが多いので、リードを「U」や「J」の垂れた形に保つのはかなり難しいことでした。一方で、すぐに遊び始める相性バツグンの場合は、リードが絡み合うのを防ぐのに苦労します。

(3)片方の犬を自由にする
 挨拶が終わると、小さかったり、穏やかだったりする一方の犬をリード付きのままフリーにします。これは大きかったり、気性の激しかったりする犬をコントロール下に置き、もう一方の犬の行動を見るためです。多少体格差などがあっても、劣勢にある犬が相手の犬のところに繰り返し戻ってくるようなら、遊びたいという気持ちがあるというサインです。

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雪の日も関係なくプレイ・グループは行った。リードをつけたまま遊んでいる3匹

(4)両方を自由に
 その後のそれぞれの犬の様子を確認しつつ、最終的には両方のリードを首輪から外して完全フリーとなります。並走したり、かけっこしたり、レスリングしたり、犬が犬らしい遊び姿を見せてくれると、「やったー」という気持ちになります。
「もしかしたら......」と会わせた2匹が意気投合して走り始めると、ボランティア同士は顔を見合わせてニッコリ。驚くやら、うれしいやら、私たちの「ヨミ」は正しかったと、ちょっとした自信にもつながりました。

 いろんな性格の犬がいるし、好む遊びのスタイルもさまざま。「犬はみんな仲良し」「うちの犬は穏やかだから」と100%信じきってしまうのも危ないし、かといって見た目やサイズで「あの犬とは遊ばせたくない」と接触を避けるのも残念なこと。はじめての犬との「ハジメマシテ」にはオープンかつ慎重に、このお見合いの経験を通じて学んだことです。

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「保護犬」を迎えることは、一つの出会いの形

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