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2017.01.09

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シェルターボランティアで学んだこと Vol.4

ボランティアのドレスコード!?は、動物たちを守るためのもの

ついにボランティアとしてデビューする日を迎えました。家を出るときからボランティアは始まっています。なぜなら、ある決まりを守っていないと帰宅を命じられることがあるのです。今回は基本的なルールについてご紹介します。

#Lifestyle

Author :写真・文=古川あや

最低月4時間の活動、Tシャツ・名札の着用が必須

 ボランティアにはいくつかの規則がありました。まずは、月に最低4時間の活動が課せられていて、これをクリアできないと登録が抹消されることになります。各シフトの時間設定は2〜3時間。つまり月2回、ボランティアを行えばいいので、仕事を持つ人でも超えられるラインです。
 次にボランティア活動時には指定のTシャツと名札を身につけること。実は初日のオリエンテーションで背中に"VOLUNTEER"と大きくプリントされたTシャツを購入しています。「なんでTシャツ買うんだろ? 汚れ防止かな?」とのん気に考えていましたが、実はTシャツには大きな役割がありました。
 この団体では300人ものボランティアが活動しています。人によっては月2回程度しかシェルターに顔を出さないのですから、シェルターのスタッフが、すべてのボランティアメンバーの顔と名前を覚えることは不可能です。Tシャツとネームタグはボランティアと部外者を見分けるための目印でもあるのです。

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ブルー、グリーン、イエロー。さまざまな色があるボランティアTシャツ

 シェルターは、誰もが入ることができる受付スペース、里親希望の方が公開時間だけに入れるケンネルスペース、そしてスタッフやボランティアだけが入れるオフィススペースに分けられます。例えば、Tシャツやネームタグなしにケンネルやオフィスにいる人は活動中のボランティアであると証明できなければ、退出を求められたりもするというわけです。
 私自身、こんな経験をしたことがあります。ドッグトレーニングの研修を受けた夜のことです。配布資料を会場に忘れたために、オフィスに戻ったところ、一度も顔を見たことのないボランティアの男性が1人。研修参加だからとTシャツを着ていなかった私は、かなり冷たい態度を取られました。すぐに顔見知りのスタッフが通りかかり、助け舟を出してくれましたが、研修であってもTシャツを着てこようと強く思った「事件」でした。
 その頃にはスタッフやボランティアの人たちと顔見知りになっていたので、戸惑ってしまいましたが、セキュリティ面を考えると仕方ない反応だったのかもしれません。金品はもちろんですが、中にはシェルターから動物たちを連れ去ろうという人もいるというのですから......。

「ドレスコード」がある理由

 Tシャツ、ネームタグ着用以外にも服装のきまりがありました。
1) 長ズボン(必須)
2) つま先の空いていない靴(必須)
3) 長袖シャツ(推奨)

 犬との生活を送っている方々だとその理由はお分かりだと思いますが、肌の露出を減らし、犬との接触による引っかき傷などの怪我防止のためです。
 引っかき傷ぐらいたいしたことない、気にしないから大丈夫、とつい自分本位で考えがちですが、これは人間のためというよりは、シェルターの動物たちのためのものでした。
 地元自治体には人間を噛んだ犬は10日間隔離し、狂犬病の兆候がないかを観察するという法律があります。シェルターでは、たとえ噛んでいなくても、人間に引っかき傷をつけて、皮膚が破れて出血した場合、傷をつけた動物は10日間隔離されることになるのです。
 1年半のボランティア期間中、実際に数匹の犬がこの措置に入りました。このルールはかなり厳密に守られていて、隔離期間に対象の犬の姿を見ることはありませんでした。犬にとってはもちろんですが、私たちボランティアにもつらい期間です。散歩はもちろん、裏庭に出して遊ばせることもできないのです。精神的なダメージを受けていないか、健康上の問題は起きていないか、シェルター全体でその犬のことを気にかける日々が続きます。
 犬と暮らしていれば、時にはケガをして出血することも珍しいことではありません。そんな、いわば「普通」のことが、シェルターの犬には大問題になるのです。切ない思いがしました。

 犬の歯や爪は尖っているので、素肌に直接当たってしまうと、簡単に傷ついてしまいます。でも、布が一枚あるだけで、擦り傷や出血を防ぐことができるのですから、長袖、長ズボンは一番手軽な事故防止策です。例えばドッグランなどに入場する際などにも、無用な事故を防ぐためにもぜひ取り入れたいと思いました。

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子犬たちの歯は特に尖っているし、動きも早いので、傷になる危険がある。ボランティアが注意深く接することが大切

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