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2016.12.12

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ラボ長コラム第3報 ~人と犬の健康のために~

もっと犬と一緒に散歩に出かけよう

こんにちは、ラボ長の小林です。人や犬について、何となくそうなんだろうなと思っていることを、実際に多くの人や犬を対象に調査、研究されています。もちろん調査方法や時期によっては、異なる結果が出ることもあります。今回は、犬との散歩について、簡単な科学的知見も交えてお話しできればと考えています。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=日高奈々子 文=小林辰也(編集部)

愛犬の散歩は何のため?

 犬の散歩は何のためにするのでしょうか。犬との楽しい時間を作るために毎日散歩をしていると考えている人もいれば、犬のストレスを解消してあげるために行っている人もいるでしょう。外でしかトイレをしない犬もいますので、トイレのために散歩に行く人もいるかもしれません。これを読んでいるあなたは何のために散歩に出かけていますか。20秒だけ考えてみてください。

 上にあげた例もそうなのですが、多くの人は、散歩は犬のために行くものであると考えている気がします。それは確かに間違いではありません。犬は外に出ることで、さまざまな風景や音、臭いといった刺激を楽しむ生き物です。また、特に若い犬は、他の犬や人との触れ合いを通して社会化されていくというのは、ご存知の方も多いでしょう。しかしながら、犬だけでなく、散歩は人にとっても良いことがたくさんあり、そんな研究も進められているのです。

愛犬との散歩がもたらす良い影響

 そもそも、歩くことは健康にいいと皆さんもご存じかと思います。健康寿命を延伸させることなどを目的に、厚生労働省が作成した健康日本21(第2次)では、日々の歩く歩数を20歳から64歳の男性で9000歩、女性では8500歩を、65歳以上では男性で7000歩、女性で6000歩を目標としています。国内の疫学研究においても、運動強度指数が高い人の方が、がんや心疾患、脳卒中による死亡が少ないといった報告(Inoue et al. 2008)や、歩行時間が少ないことで糖尿病のリスクが上昇するといった報告があります(Kabeya et al. 2016)。
 犬との散歩についてもさまざまな研究が行われており、米国では、犬を飼っている人の方が中程度以上の強度の運動をする割合が高く、肥満の人が少ないという研究結果も報告されています(Coleman et al. 2008)。また、犬との散歩がストレスの緩衝材になることを示唆する報告などもあり(Motooka et al. 2006)、身体だけでなく心にも良い影響のある可能性についての科学的研究が進められてきています。

 話は犬に戻ります。散歩は外の世界に触れられることはもちろんですが、犬にとっても運動であるため、健康に良いことは間違いありません。実際に、長寿犬(15歳以上まで生きた犬)の方が5~9歳で死亡した対象の犬と比較して、散歩を時々しかしなかった、また全くしなかったという犬の割合が少なく、室内のみで飼われていた犬の割合も少なかったという報告もあります(Kido et al. 2001)。散歩がストレスを解消し、筋力や心肺機能を健康に保つのに役立ったのではないかと推察されますが、メカニズムに関しては今後さらに研究が進んでいくと思います。

 冬になり、特に朝の散歩は億劫になりがちですよね。そんな時だからこそ「犬の散歩」を理由に積極的に外出していただきたいと思います。そして、愛犬と飼い主の皆さんの健康のためにも、今一度、散歩の役割について考えてみてはいかがでしょうか。

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