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2016.11.25

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シェルターボランティアで学んだこと Vol.1

アメリカ在住のライターが語る、ペット大国アメリカの意外な現実

家族の転勤で引っ越した先のアメリカで、動物福祉連盟が運営するシェルターのボランティアを1年半ほど経験しました。家族のいない犬のために何かをしたいと思ってのチャレンジでしたが、逆に犬たちに慰められ、ボランティア仲間に助けられた日々となりました。アメリカのシェルター事情を中心に、活動を通じて学んだこと、感じたことを皆さまと共有できたらと思います。

#Lifestyle

Author :写真・文=古川あや

犬とは無縁の生活から、ボランティアをするまでに

 こんにちは。docdog(ドックドッグ)編集部に9月から参加しているライターの古川と申します。ラブラドール・レトリーバーを飼って約16年。今では犬なしの生活は考えられない私ですが、長い間犬とは無縁の生活を送ってきました。

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 かわいがっていた猫の死があまりに悲しかったことから二度と生き物は飼いたくないという父親の意思と、これは大人になってから知ったことですが、幼いころ犬に追いかけられて、犬が苦手になった母親の影響かと思います。とはいえ、犬を怖いと思うことはなく、ただただ遠い存在でした。

 犬を飼い始めると「こうやって排泄するんだ」「唇はこんな形をしているんだ」とすべてのことに驚く日々が続きましたが、やがて犬がいる生活が当たり前になり、旅行や買い物より、愛犬との散歩が一番の楽しみというライフスタイルにかわりました。

 飼い主のいない犬へも意識が向くようになったのは、犬を飼い始めて7年ほどたったころでしょうか。里親募集中の犬の預かりを2度、そしてイベントの手伝いなども経験し、不要とされた犬たちが幸せになっていく様を見て、うれしく思いながら、その一方で、犬の幸せは飼い主さん次第なのだと切ない思いを抱いたりもしました。

 そして、ボランティア活動の盛んなアメリカへの引越しが決まりました。滞在中はビザの関係で仕事もできません。せっかくの自由な時間をボランティア活動に充てたい、どうせなら大好きな犬のために何か役に立つことをしたいという思いを抱いて渡米しました。

ペット大国のアメリカだけど、すべてが完璧なわけではない

 さて、ここでアメリカのペット事情をご紹介したいと思います。少し数字が古いのですが、APPA(American Pet Products Association)の調査によると、2012年にアメリカ国内でペットとして飼育されているのは犬約8330万匹、猫約9560万匹となっています。ちなみに日本の場合は2015年で犬約992万匹、猫約897万匹(ペットフード協会)なので、アメリカでは日本の約10倍もの犬や猫が飼育されていることになります。

 国際的なマーケティング会社が行った調査では、アメリカの家庭の50%が犬を、39%が猫を飼っています。日本の場合はというと犬を飼育している家庭は17%、猫は14%(2015年夏、GFKによるインターネット調査)。アメリカでは犬や猫と暮らすライフスタイルが、かなり浸透していることがこれらの数字にもしっかり反映されています。
 統計からも読み取れるように、アメリカは確かにペット大国。週末に大きな公園に行くと大小さまざまな犬種とハイキングしている人を見かけますし、犬をノーリードで遊ばせるドッグパーク(いわゆるドッグラン)も充実しています。自然の中でイキイキしている犬を見ることは何よりも私の癒しになりました。
 ちなみに、今回のブログのメインカット(写真)も、そんなドッグパークでのひとコマ。林一帯がドッグパークになっていて、小川が公園の柵の役目を果たしています。

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街中には犬のウンチ袋ステーションがいたるところに。ゴミ箱に入れてもいいのはうれしい

 ところが、意外なこともありました。賃貸集合住宅では犬が飼えない物件も多く、犬を飼育できる"ドッグフレンドリー"の物件でも、サイズ制限がある場合もありました。生体販売をするペットショップもみかけましたし(禁止されている自治体もあります)、劣悪な環境で繁殖を行うパピーミルやバックヤードブリーダーなども存在します。安易に犬を飼って捨てるという人、犬を虐待する人はアメリカにもいて、新しい終の住みか(Forever home)をたくさんの犬が探していました。

 私が暮らしたエリアでも数多くのグループが活動していましたが、全米でみるとシェルター(動物保護施設)は5000カ所、レスキューグループは14000カ所にものぼるそうです。それだけ多くの動物たちが助けを必要としているということなのでしょう。

 さて、渡米後の私はといいますと、英語に不安を感じながらも、同じく英語に不安を持つ犬好きのロシア人の友人と、レスキュー団体でのボランティアを始めました。とはいっても、イベント参加を主とする活動だったため、ボランティア向けのトレーニングシステムが充実している動物福祉連盟にも事前登録し、そちらから声がかかるのを待つことにしました。

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