magazine

  1. HOME
  2. MAGAZINE
  3. 夏場は危ない!? みんなの肉球トラブル体験記

2016.07.27

読みもの        

起こりうるトラブルを知り、事前に備えよう!

夏場は危ない!? みんなの肉球トラブル体験記

#Healthcare / #Lifestyle

Author :監修=永田雅彦 写真=大浦真吾 文=山賀沙耶

肉球トラブルを実際に経験した飼い主&愛犬のお話を聞き、日本獣医皮膚科学会会長の永田雅彦先生よりアドバイスをいただきました。カラダのほとんどを毛に覆われている犬にとって、肉球は皮膚が露出していて、実はとても繊細な場所。ここで紹介する体験談を参考に、トラブルに対する予防法と対処法を知っておきましょう。

水遊び後にドッグランで走らせて、肉球を損傷......

 おそらく最もよくあるのが、すり傷や切り傷といったトラブル。すり傷・切り傷の体験を話してくれたのは、ラブラドール・レトリーバーのそら(8歳)、つむぎ(3歳)と暮らす、小笠原理恵さん。

 「夏にプールに泳がせに行き、2~3時間程度泳いだ後、ドッグランで走らせたところ、そらの肉球が真っ赤になって炎症を起こしてしまいました......。そのドッグランは富士山の麓のせいか、草もあるけれど、火山石の砂利らしきものも含まれていて、肉球がふやけていたため傷めたのかもしれません。その後も、数時間泳がせた後に肉球を傷めることがあり、泳いだ後はなるべく走らせないようにして、肉球の水分をタオルで拭き取るか乾かすようにしています」

 
160706_02.JPG

ラブラドール・レトリーバーのつむぎ(左)とそら(右)

 肉球も皮膚。人間の手足と同じように、ふやけると傷みやすくなる。水遊び後に歩く地面の状態には特に注意したい。
 また、水遊び後だけでなく、雪遊びのときにもトラブルを経験したそう。

 「2~3時間ほど雪の中を走り回り、宿泊先に戻った時に、肉球を確認したら、そらもつむぎもしもやけ状態で真っ赤になっていました。それ以来、雪遊びの時は遊ぶ前に白色ワセリン(またはムッシャーズシークレット)を、全ての足にたっぷり塗るようにしています」

 トラブル後は、傷をなめさせないよう包帯や靴下でカバーすることで、1週間から10日前後で治るそう。散歩に行く時は、傷めている足のみ靴を履かせているとのこと。

 
160706_03.jpg

治療中は靴下や靴が大活躍

 もし肉球が切れて血が流れているのを発見したら、まずはどうすればいいのだろうか。

 「応急処置としては、傷口に異物や菌が侵入していることを想定して、血が流れてもいいのでまずは流水でジャブジャブ洗ってください。その後、傷口をしばらく圧迫して止血します。それでも血が止まらなければ、肉球を心臓より上に上げて、傷口よりカラダに近い部分をつかんで血流を減らします。また、傷口に人間用の消毒薬を塗ってもいいでしょう」と、日本獣医皮膚科学会会長の永田雅彦先生。犬が痛がったり、大丈夫か気になる場合は、応急処置後に迷わず動物病院で診療を受けよう。

長時間散歩していたら、肉球の皮がペロリ!

 これからの季節に気になるのが、肉球の火傷。過去にMix犬のポチと暮らしていたときのトラブルの話を聞かせてくれたのは、現在はラブラドールと暮らすポッチンな(ペンネーム)さん。

 「ポチが8〜9歳ぐらいのころ、たまたま私が仕事を辞めていた時期があり、自由な時間がたっぷりあったので、ルンルンとした気分でどこまでも気の向くまま歩いていました。田んぼのあぜ道やアスファルトの道などを通って、おそらく2時間近く歩いたころ、手に持ったリードに抵抗を感じました。そこで、ポチのカラダをチェックしたところ、4つの肉球の皮がペロリとめくれていました......! タクシーも通らない田舎道、13キロのポチを抱っこして自宅まで、休み休み歩いて帰ること約2時間。それからは、地面の温度を手で触って確認する習慣がつきましたね」

 
160706_05.JPG

30年以上前にポッチンなさん宅に来た、日本犬Mixのポチ

 火傷をした場合の応急処置はというと、「人間の場合と同じで、まずは冷水で冷やすこと。その後、人間用の虫除け軟膏を塗ってあげると、ステロイドが効いて多少炎症が治まるため、犬も楽になるでしょう」と永田先生。

 今や、アスファルトでの肉球の火傷に注意することは愛犬家の常識になったが、真昼間でなくても意外とアスファルトが熱を持っていることも。実際に手で触って確認することが大事だ。

夏場になると特に、肉球が赤く腫れてかゆがる

 
160706_06.JPG

 愛犬の肉球の炎症で悩んだことがあるというのが、オールド・イングリッシュ・シープドッグのジュディと暮らす天むすさん。

 「2歳ごろから、肉球が赤く腫れてかゆがるようになりました。特に蒸れやすい夏場に悪化したため、肉球まわりの毛を切って通気性をよくしました。肉球の炎症の他にも、小麦を含むフードやオヤツを食べさせると、鼻のまわりや耳の中などが腫れてかゆがっていたため、食物アレルギーなのでは、と思い当たりました。その後は、小麦を断つことでほぼ治り、今は時々気にしているかなあという程度です」と、アレルギーが疑われる症状だったとのこと。

 他にも指間炎など、肉球の炎症トラブルに悩む人は少なくないようだ。永田先生いわく、
 「特に指の間は山あり谷ありで、たくさん汗をかく肉球が近くにあったり、もともと構造も環境も複雑なので何らかの負荷が大きくなった時にトラブルが出やすい箇所ではあります。炎症が起こったからと毛を切ってあげたら、怪我してしまったり、清潔にしようと思って洗ったら、よく洗いすぎて逆に荒れてしまったりということもあります」とのこと。まずは、そもそも過酷な環境にある部位と認識し、うまくバランスを見ながらケアしたい。

◎監修者プロフィール
160709_06.jpg

永田雅彦先生
日本獣医皮膚科学会会長、アジア獣医皮膚科専門医協会副会長。埼玉県川口市にある『どうぶつの総合病院』副院長・診療統括部長。日本大学大学院獣医科研究科修士課程修了後、動物病院勤務、Cornell University留学、日本獣医畜産大学臨床病理学研究室研究生を経て、1994年に『どうぶつ皮膚病センター』、1997年に『ASC』を設立。皮膚科を専門に、全国の動物病院から紹介された動物を診る二次診療を行う。

  

人と犬の幸福な関係は、飼い主と愛犬のよりよい関係から

犬アレルギーの私だけど、やっぱり犬を飼いたい!

犬アレルギーの私だけど、やっぱり犬を飼いたい!
人と犬の幸福な関係は、飼い主と愛犬のよりよい関係から